キミさえいれば
それ以上の
10月半ばになると、文化祭準備のため生徒会の仕事が毎日のように入った。


文化祭という行事一つに、こんなにやらなければならないことがあるなんてビックリだった。


私は生徒会役員ということもあって、クラスの出し物には出なくて良いことになったなら、そのへんは気が楽だった。


この頃、教室にいるよりも、生徒会室にいる時の方がホッとしている自分に気づいていた。


それは多分、美咲の存在が大きいのと。


黒崎先輩のお陰かな…と思う。


黒崎先輩の絶対的権力のせいか、生徒会のメンバーは恐ろしいほどまとまっていて、決めなくてはいけないこともスムーズに決まるし、雰囲気がとても良かった。


居心地の良さを感じて、学校へ行く事が苦痛じゃなくなって来ていたある日のこと。

 
生徒会室で美咲とパンフレット製作をしていた時だった。


コンコンとドアがノックされた。


扉の一番近くにいた私が、カチャンとドアを開けた。


「失礼します」


そう言って入って来るのは、長い黒髪が印象的な美人。


「2年7組の西野です。これ、クラスの出し物を書いたものです。遅くなってすみません」


そう言って、一枚の紙を渡された。


「場所は教室ですか?」と私が聞くと。


「はい。お化け屋敷なので、教室でやります」

 
その彼女はニッコリ笑って答えた。


「わかりました。ありがとうございます」


私がそう言うと、彼女はペコリ頭を下げて出て行った。
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