ハート交換
「重い・・・・もうダメ。」



『お前はそれでも女か!!この巨漢男が気絶しているうちに逃げるんだ。急げ!』



「分かった・・・」



私は必死になって巨漢な体をどかすことに成功した。何とか抜け出すことが出来たが、さっきのショックで腰が抜けてしまい上手く立てない。



『女は気合いだ!ほら立って歩くんだよ。なみか頑張れ!』



「もう嫌・・・」



晃の心の声に励まされ、私は何とかふらつきながらもその場を走りさることが出来た。



ハアハア



横腹が痛くてたまらない。

一体どのくらい走っただろうか?



公園を抜けるまであと少しの所に差し掛かっていた。



「あっ・・・痛っ!!」



その時だ。何かにつまづいて転んでしまった。




もう立ち上がる気力は私には残っていない。
一気に緊張の糸が緩んで地面にへばりついたまま子供のように大声で泣き出してしまった。



この風のせいなのか。気が付けば雲一つない夜空が広がっている。


雲で隠されていた三日月がやさしく光っていた。






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