ハート交換
「晃はね、まだこの会場内に入ってないよ。今ね、洋服を買いに行ってるよ。紫の服をね。」



「紫の服ですか?」



「そうだよ。」



小川さんは、分厚い参考書をまたペラペラめくりだす。



「ここ!見て!!」




目を凝らして参考書を見ると紫の服を来た人の姿が描かれている。


「この人たちって・・・」



わたしは回らない頭で必死に考える。



「この人たちはね、生け贄に捧げられる人達さ。目立つように、わざとこういう色の服を着てたみたい。」



「嘘・・・・」



私は膝がガクガク震えてくる。



晃くんが何をしようとしているのか、今理解できた。




小川さんは、パタンと参考書をとじて真顔で私に話かけた。



「まだ、全てを諦めないで!なみかちゃん。」



この言葉に私は涙を我慢することは、もう出来なかった。



私達に残された選択はまだ、あるのかな?



晃くん



待って一人で勝手に行こうとしないでよ。



君を絶対に犠牲になんかしない。



私が君を守ってみせる。



そう心に強く誓った。



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