ほんとうのこと
『…僕もさ視力を失った自分を受け入れるには長い時間がかかったよ…』



『人も世界も嫌でさ。消えてしまえばいいって思ったんだ』



「えっ…」


思わず好が声を出す



真鍋さんはフッ…と笑った



『本当だよ?そして一生暗闇の世界にいるくらいなら…死んでしまおうって考えたんだ』



(そんな…だけど私も同じことを考えた…)


バンッ―



「ダメだよ!死ぬなんて言っちゃっ…」


好が勢い良く立ち上がって声を出した







『大丈夫。今はそんなこと思ってないよ。』


その言葉を聞いて
好は再び席についた




(好があんなに声を荒げるなんて思ってもみなかった…)





そして

そのあと言った真鍋さんの言葉を
私は決して忘れない…
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