空色デイズ ~陸上部エース♂×陸上部マネージャー♀の危険な取り引き~
「ちょっ…ちょっと放してよ!!」
身の危険を感じて身じろいだ私の耳元に唇を寄せた森本哉太が意地悪な声色で囁く。
「やっぱサクラには、ポニーテールがよく似合う」
彼の指示通りにポニーテールをしてきた私に満足そうな笑みを浮かべて髪に触れてきた。
「は、離してっ!!」
女子の集団の視線がとても怖い。
怖すぎる……。
この自由人!!
ちょっとは私の立場を考えろ!!
この単細胞!!
彼に対しての悪態に気づいてなのか知らずか。
この状況を楽しむような含みのある笑みをこぼした森本哉太が腕を離すと、私の手からドリンクとタオルを奪っていった。