【短編】恋しちゃダメですかっ?
お願いー1
ことねは静かになった部屋で一人ベットに横たわる。

小太郎がこの部屋にでてこなくてよかった。


ふぅ〜と溜め息をつき、薄いカーテンの向こうにうつる満月をみながら、ただ呆然と小太郎の事を想った。




その時


『ことね、ひさしぶりっ。僕はずっと、ここにいたよ。』


小太郎の優しい声がことねの耳に届く。


「小太郎なの…?」


『そうだよ。もう少しで、消えるとこだったよ。
でも、祈祷師には何もみえてないのわかってたから、安心してたけどね。』


「私…心配したんだよ。
小太郎にもう逢えないんじゃあないかって。」


ことねの瞳からは、我慢していた涙が溢れだす。


『ことね、泣かないで。
僕はまだいるから。」


「だって、だって…
うぇ〜ん、涙がとまんない。ぐすっ、うぇ〜ん。」


『子供みたいだな。』


「あのね、私は、私は…。」


いいかけた言葉を飲み込む。



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