そばにいたこと
第5章 罪を抱えて

そばにいたこと

だけど、いつの日か僕は食事を摂り、いつの日か風呂に入り、いつの日か大学に通っていた。


いつの日か、特別支援の教師を目指し。


いつの日かスクールカウンセラーの資格を取った。



人間なんて弱いから、ずっと悲しみに浸ることさえできなくて。

ただ、前を向いて歩き続けることで、悲しみを、罪を塗り替えていくんだ。


そして、心の中に住む君の面影は、次第に薄れて。


いつか思い出すことさえ、ままならなくなるんだろう。



それが、人間だから――――




この物語に、続きはない。

僕は、現在進行形でこの話を語ることさえできない。

そう、「思い出」という形でしか。



だけど、確かにあの時僕は、君のそばにいた。

これからもずっと、そばにいたいと願った。

そしておそらく君も、そう思っていた。









だけど。









そばにいたこと、それは紛れもなく、僕の一生の罪なんだ―――――――









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