【BL】生まれ変わって会いましょう。
睨まれた朱鷺は肩を竦めた。
「そんな睨まんでやぁ。ほな、退散しましょ。また明日な。」
朱鷺はそのまま部屋を出ていく。
龍さんも壱さんも朱鷺の後に続いて出て行ってしまった。
残されたのは俺と壬生。
そりゃ気まずい空気が流れる。
壬生は再びベッドに座り、本を開いた。
俺は…とりあえず荷物の整理でもしようかな……。
すでに運ばれていた俺の荷物はダンボール一つだけ。
「………荷物」
「ぇ………」
唐突に呟かれた言葉に、俺は振り向く。
壬生は変わらずベッドに座ったまま、本を読んでいる。
その姿勢のままで、口だけが動く。
「荷物、それだけか?」
「あ、うん。着替えぐらいしか持ってこなかったから」
「……そうか。」
壬生は再び口を閉ざす。
気のせいかもしれないけど…
さっきみんなが居たときより、少しだけ口調が柔らかかった気がする。
壱さんが言うほど怖くないかも。