【BL】生まれ変わって会いましょう。
要樹の向かった先は校舎裏側。
裏庭の木々の先。
そこには、ひっそりと木で作られたテーブル一つとベンチが二つ。
「すごい……なんか隠れ家みたい。」
「………俺の秘密の場所。誰も来ないから静かに過ごせる。」
要樹はベンチに腰掛け、本を読み始めた。
俺も反対側のベンチに腰掛け、買ったばかりのメロンパンを頬張る。
風が吹くと葉の音がする。
合間に鳥が鳴く。
上を向けば木漏れ日。
「……いいところだ。」
「……他の奴には言うなよ。」
「うん。でもどうして俺に教えてくれたの?」
「……別に。ただの気まぐれ。」
なんだ……。
ちょっとは仲良くしてくれる気になったのかと思ったのに。
メロンパンを半分まで食べ終えたところで、要樹が本から視線をあげ、俺の方をまっすぐ見た。
「……な、なに?」
あんまり目合わさないから、こう見られると迫力あるんだよなぁ。
普段不機嫌な顔してるけど、顔立ちすごく綺麗だからかな。
要樹は何も答えず、本を閉じた。
「要樹?」
「………本当に何も覚えていないんだな。」
「え?」
龍さんにも同じようなこと言われた……。
どういう意味なんだろ。
と言うか、どうしてこんなに悲しそうな顔をするんだろう。