ぽたり……【超短編】
「いや、だからさーーーって
話、聞いてる?」


「えっ、あっ、はい。
聞いてます。」


「迷惑なんだよ。
最近、特に夜中にさぁ、洗濯機?
ガンガン回しちゃってるよね?」


「えっ、あっ、まぁ……。」


「高級マンションならまだしも
こんな断熱材もろくに入ってないような
安いワンルームマンションだとさ
響くんだよね、音もだし
後、脱水の振動とか?」


「そう、ですか……。」


「申し訳ないんだけどさ、
俺、仕事で毎朝、早いんだよ。
せめてさ、九時までとかに終わらせてよ。
こっちだって管理人通すと
面倒だと思ってこうしてお宅に直接
言いにくいこと言ってる訳よ。」


「はい……すいません。
気を、付けます……。」


「じゃまぁ、宜しく。」


バタンーーー










「隣の部屋の人に夜中の洗濯
うるさいって言われちゃった……。
気をつけなきゃね。」


少し濃い茶色のフローリングに
達也は黙って寝転がっていた。
目は開いているけど
何も言わない。


私は達也の隣に寝転んで
同じように天井を見つめた。


ただ虚無しかない
白が広がっているだけだった。





















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