今日、君が結婚します
文化祭が終わり、教室にカバンを取りに戻るとそんな会話が聞こえてきた。


テニス部の子だ。めちゃくちゃ可愛い彼女。自慢するくらい可愛いんだ。



儚くて切ない恋は終わっていたのに私はまだ思い続けたいだなんてバカなことを考えていたんだ。


でも、これでやっと・・・終わりにする。



教室の扉を思いっきり開ける。一斉にみんなの視線が私に向けられた。そのままみんなのそばに近づく私。



「・・・ごめん。私が余計なことしたから松原くんに嫌な思いをさせちゃったね。でも、本当に気にしないで。かすり傷だから。それに・・・彼女に悪いからもう話しかけたりしないね。ごめんね」



自分の席からカバンを取って教室を後にする。私の後ろで慌ててるような声が聞こえるけれどこれは松原くんのためじゃない。



私のため。私が松原くんをこれ以上好きにならないためにもう話しかけたりしない。
< 65 / 152 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop