今日、君が結婚します

「おかえり。松原と話せた?」



「寛子・・・お願いがあるんだ。松原くんに伝えてくれる?もう私、彼氏がいるから気にしなくていいって」



「あっこ、何言ってんの?なんで話さないの?あいつの話を聞いてよ。なんでまた遠ざけるの?あんたもあいつもなんでそんなに・・・」




「松原くんが好きだから。だから、お願い。もう松原くんを苦しめたくない。それとマフラーは捨ててくれていいからって伝えて」



「あっこ・・・本当にいいの?松原はあんたのこと・・・」



「タイミングが合わなかったんだよ。たとえ、罪悪感だけじゃなくても松原くんが優しくしてくれるだけで私が『罪悪感』としか思えないの。松原くんの純粋な気持ちをそうとしか取れないの。だから、もう解放して」




寛子は私の前で松原くんに電話をしてくれた。泣きながら私を抱きしめてくれて・・・。



そして私の耳に携帯を当てる。



受話器越しで聞いた彼の声は涙を堪えてるみたいだった。



「平瀬に伝えて。俺を好きになってくれてありがとうって」
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