今日、君が結婚します
コーヒーをテーブルに置いて2人がけのソファに座った松原くんはポンポンとソファを叩く。


ニコニコと私を呼ぶその姿にどうしても逆らえず少しだけ距離を開けて隣に腰を下ろした。




「・・・抱きしめるだけ、してもいい?」




その距離を詰めてギュッと後ろから腕を回されて抱きしめられた。



裏切ってもいいの?そんなことを考えていたくせに結局この腕を振りほどくこともできない。



「俺、抱きたいより、ただ抱きしめたいって思ったの亜希子が初めてだよ。欲求を満たすよりこうやって触れ合うだけで幸せになれる」




「松原くん、松原くんはどうして誰にも本気にならないの?その言葉は私にだけだってどうやって信じたらいい?不安だよ、松原くんにはたくさん女の子がいて、更には泉美はそれを分かってて付き合ってるなんて聞かされて・・・私とその子たちは何が違うのかな?」
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