彼が虚勢をはる理由






――――この話、こないだもした気がする。
でもそれは、ハルが私を心配してくれている証拠だ。
でもね、とハルは続ける。


「本当に香苗が夏野君を心配してるなら、それは香苗の自由だし、夏野君を好きなら応援するよ」

「ハル…」

「話だって、幾らだって聞くからね」

「舞子…。二人とも、本当にありがとう」


――何て話の分かる二人なんだろう。
こういう時、話の分かる優しい人が近くにいるのは、本当に助かる。
私がしみじみと感動してると、二人は直後にとんでもない事を言った。


「…で、香苗は今日、三人で帰るよ!」

「運が良い事に、今日は舞子の部活も無いしね」

「…は? 三人って誰と誰と誰? 何で一緒に帰るの?」


妙にニコニコしてるハルと舞子に嫌な予感がして、私は先に尋ねてみる。
面倒な事に巻き込まれそうな気配を感じたら、先に手を打って逃げるに限る。


「え? そりゃあ、ウチと舞子、それから香苗に決まってるじゃん」

「夏野君を何でそんなに心配してるかとか、夏野君の何が良いのかとか、洗いざらい白状してもらうから~」

「え、絶対に嫌だよ! マジ勘弁だし!」





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