彼が虚勢をはる理由





紅実ちゃんの勢いに負けて私が一気に喋ると、紅実ちゃんはアッサリと断言してきた。
…あぁ、夏休みに入る前に、ハルと舞子にも同じように言われた気ぃするなぁ。


「やっぱコレ、恋って言うレベルなの? クラスの問題児を気にしてるとかじゃなくて?」

「恋って言って良いでしょ。だって香苗、クラスの問題児とか、巻き込まれない程度に放置しとくタイプじゃん。殴り合いとかも大嫌いじゃない? それでも仲良くなりたいとか、もう恋だとしか思えないけどなぁ」


……そうか、そういうモンなのか。
確かに夏野君の影響で、殴り合いや暴力奮う事への考え方が多少変わったのは事実で。
そういう人達が大嫌いだった筈なのに、夏野君とは仲良くなりたいし。
夏野君が他の人達と仲良くしてるのは良い事だと分かってる筈なのに、どうしてか寂しい気もするし。
――――コレ、恋って言うの?


「…で、どうなの? イケメンなの?」


畳み掛けるように聞いてくる紅実ちゃん。…貴方が気になるのはそこですか。
別に性格が一致したり、優しかったりすれば、顔なんてどうでも良くないですか? イケメンの方が良いっていうのも分かるけど。





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