ケータイ小説『ハルシオンのいらない日常』 著:ヨウ
《作品タイトル『ハルシオンのいらない 日常』
著:ヨウ》
海君と作った空部の話から始まり、家族 との日常生活を織り混ぜた恋の話を綴っ た。
この物語には、私の嫌ってきたものは何 ひとつ入っていない。体験を元にしたノ ンフィクションという感じで書いた。そ のせいか、主人公には自然と私の内面が 投影される形になった。
小説の中のお母さんは娘大好きでいつも 優しいし、義父も物静かで知的な常識 人。
二人の間に生まれてくる赤ちゃんも私を 慕ってくれる。この子に『伊織』という 名前を与えた。大好きな人の親友・伊織 からとった名前、という設定で。
『ハルシオンのいらない日常』。この物 語を書いている時の私の心境はこうだっ た。
そのうち生まれてくる私の異父きょうだ い。その子には、幸せになってほしい。 伊織君のように親の都合で理不尽な目に 遭いませんようにという皮肉も含んでい るけれど(それプラス、『伊織』は男女 どっちにも合う名前だからイイという創 作的思考も重なって)。
本当に、お母さんのお腹にいる子の幸せ を願っている。生まれてくる子に罪はな いから。どうか、私のようにひねくれた 子になりませんように。
こう思えるようになったのは、海君の愛 情をもらったからかもしれない。