ケータイ小説『ハルシオンのいらない日常』 著:ヨウ

私が今まで読んだお気に入りのケ ータイ 小説の主人公達は、私にないものを すべ て持っていた。

恵まれた容姿。

安定した家庭。

幸せな恋愛を提供してくれる彼氏。

自分のためだけに一生懸命尽くしてくれ る 彼氏がいて、ピンチになると必ず助け てく れる親友がいる。

現実にこんな人がいたらいいなぁと思う 理 想的な人が、ケータイ小説の中には じゃん じゃん出てくる。

敵対している人物とも、最終的には仲直 り したりして。


私の憧れそのものだった。

サイトにアクセスし、小説のページをめ く るたび、私は夢の世界に行くことがで きた 。


傷ついてもいいから、最終的には幸せに な りたい。

こんな恋がしてみたい。

悩み事を共有できる親友がほしい。

安心できる居場所がほしい。

ケータイ小説は、私の願いを叶えてくれ る 魔法のような存在だった。
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