ケータイ小説『ハルシオンのいらない日常』 著:ヨウ
海君のことを好きだと気付いた。
本当は、もっと前から好きだったのかも しれないけど、はっきり自覚したのはこ の頃。
公園に行き、1時間たっぷり勉強して、ま たさらに1時間しゃべって。
そんな、人の目を避けるように外でこっ そり会える時間が、私は待ち遠しくなっ ていた。
ただ、春はそれでも良かったけれど、だ んだん、夏になると、気温的に公園での 勉強はつらくなってくる。
汗でノートがシワシワになり、シャーペ ンでうまく字を書けなくなる。
自販機でジュースを買っても一瞬の涼し さ。市民図書館は遠いので、選択肢は他 にひとつしかなかった。
私の家――。
親が離婚してから、私とお母さんはア パートに住んでいた。
貧乏な我が家でも、エアコンはある。
電気代を浮かせるため、普段は寝る前に しかつけないクーラーを、海君を呼んで つけることにした。
ウチに呼ぶのは恥ずかしかったけど、夏 の暑さにはかなわない。
給与が高いからと、お母さんは少し前か ら工場で夜勤の仕事をするようになった ので、夕方から翌朝まで私はひとり。
思い切って、海君を家に呼ぶことにし た。