恋愛学園
此処にいたら、見つからないのかな?
そんなことないか……。
小さな隙間に隠れてたからバレなかったんだろうけど。
どう見ても、一人しか入らないだろうしな。
だからと言って、また憂をこんな所に一人にするなんて可哀想なこと出来ないし。
もし、見つかって傷付けたり捕まったりした後の佐藤くんが……怖いし。
どうするかな……。
そろそろ、さっきの私たちを追いかけてた人が追いつく頃だろうし……。
此処でいつまでも考えてられないし。
「……芹那ちゃん……?」
「憂、少し動こうか。ずっと此処にいるわけにもいかないし」
黙り込んだ私を心配そうな顔で見上げてくる憂。
私がした提案に予想通り目を見開いて驚く憂。
「……えっ……でも、ここで待っててって言われたよ……?」
この子、忠犬みたいな子なんだ。
ちゃんと苦手な青の言う事も聞こうとしてる。
私は、絶対に青の言う事なんて聞かないけど。
「大丈夫、ちゃんと会えるから。此処にいて見つかったら佐藤くんたちが頑張ってくれてるのに、無駄にしちゃうし」
パタパタと聞こえてくる足音が聞こえてきて憂の体はまた小さく震え出して私の提案に小さく頷いてくれた。
やっぱり、来た。
早く逃げないと……。
「……憂、行こ」
そう小さな声で言うと私に抱きついていた憂は、私から離れて小さな可愛い手で私の手をギュッと強く握ってくる。
「うん……行く……」
青に、連絡は入れとかないと……でも、どうしよう?スマホとかがあれば……スマホ、あんじゃん。
腹黒王子からもらった学園用のスマホをポケットから取り出す。
使うの、初めてだけど……きっと青が勝手に弄ってる事を期待しよう。
ダメ元で電話帳を開いてみると……期待は裏切られなかった。