Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
治療
事務所から出た私たちは、蒼の車に乗り込んだ。



運転席に蒼、後部座席には私と…坂下。



「あれ?坂下先生、ご自分の車はどうされたんですか?」



蒼が尋ねると、坂下は電車で来たのだという。



「頭に血が昇っている時に運転をするのは、事故のもとです。

学校まで、乗せていただいてもよろしいですか?」



「了解。」



そう言うと蒼は、往きとは打って変わって安全運転で車を走らせた。



「事務所の社長が男色だったとは、ねぇ…。

坂下先生、おカマ掘られなくて良かったですね。」



蒼がそう言った途端、坂下が運転席のシートに蹴りを入れた。



「うわ、怖ぇ…。」



蒼が、首を竦める。



車は学校に向かっている、聞くなら今のうちに聞いてしまおうか…。



「ねぇ先生、何でメールしてくれなくなったの?

何で、あの時…手紙に気づいてたハズなのに無視したの?」



「メールの遣り取りが知られてしまったり、授業中に手紙を受け取ったところを見咎められたりすれば、アンジェとの関係を疑われてしまいます。

あなたに不利になるような行動は、一切取らないと決めただけです。」



「だったら、そう言ってくれたら良いのに…。」



「言う前に、顔を会わせなくなったでしょう?」



まぁ、確かに避けてたし…。



話を聞いていたのだろうか、蒼が口を開いた。



「アンジェ、余計なこと言うようだけど…。

授業中っていうのは、僕らにとって一番大事な仕事なんだ。

そんな中では、私事はしないもんだよ。

だからさ、手紙渡されても困るだけだよね。

僕だって、例え梨香がラブコール送ってきたとしても、その場は無視するよ。」



へぇ…蒼でも、それなりにルール決めてるんだ?







 
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