Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
兄妹
翌日、泣かないって決めて坂下の病室を訪れた。



だけど、ドアの前に立ったら涙がこみ上げてきた。



ダメだよ、泣き止まなきゃ…。



そう思っても、溢れてくる涙は止まりそうもない。



今日は、会わずに帰ろう。



踵を返したときに、ドアの向こうから声がした。



「アンジェ、そこにいらっしゃるのでしょう?

入ってきて構いませんよ。」



何で、分かるかな?



でも、こんなに泣いてたら顔会わせられないよ…。



躊躇してたら、病室のドアが開いた。



モスグリーンのガウンを羽織った坂下が、私に手招きをする。



今更、帰るわけにはいかないよね。



私は坂下に呼ばれるまま、病室に入った。



坂下は私が持ってきた花束を手にすると、嬉しそうにしていた。



「アンジェが週1回持ってきてくださる花を、楽しみにしているのですよ。」



そう言って、坂下は私の涙を手で拭い、頭を撫でてくれた。



坂下、あんまし甘やかさないでよ。



坂下がいなくなったら、私…生きていけなくなっちゃうかもよ?



坂下の手の温もりに浸っていたら、ドアをノックする音が聞こえた。











 
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