Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
修羅
『坂下さん、どうしました?』



看護師の声が聞こえるから、何とかボタンを押すことができたようだ。



「んー、んん、んーっ!」



助けを求めるために叫ぼうとしたら、口を塞がれた。



ナースコールは、呼びかけを続ける。



何かあるってことは、感じ取ってもらっているようだ。



止まない看護師の声に、坂下の息子は舌打ちした。



「余計なこと、しやがって!」



腰を振りながら、私の首に手をかけ絞めだした。



私、殺されるみたい…。



一足先に向こうに行って、坂下を待つのも…悪くない。



意識を手放そうとした時、まるでドアを蹴破るような音が聞こえた。



それと同時に、私の首から絞めていた手が放れた。



首を横に向けてドアの方を見ると、坂下が鬼の形相で立っていた。



坂下は自分の息子の襟首を掴んで私から引き剥がすと、殴り倒した。



とても、余命幾許も無い病人とは思えなかった。



坂下は、それだけじゃ怒りが収まらないのか蹴りを入れまくる。



蹴りを入れられてる坂下の息子の顔が、血で染まっていく。



もう止めて!



このままじゃ、坂下が人殺しになっちゃうよ…。



そう言いたかったけど、声が出なかった。










 
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