Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
対決
始業式にあわせてイギリスから戻ってきた私は、やっぱり坂下のことが心配で病室に向かった。



こっそり様子を見るといっても、坂下のことだからすぐに気付くだろう。



この前だって…何も言わなかったけど、私がいたことに気付いてたもの。



中の様子を窺うと、坂下はいなかった。



しかも、ちょっと診察に行ってる…という感じじゃない。



きれい過ぎるというか、整頓され過ぎてる。



まるで、この部屋はもう使われていないかのように…。



まさか、私がイギリスに行ってる間に…?



だって、まだ3ヶ月経ってないよ?



離婚は、どうなったの?



まさか、それが原因で刺されたとか…?



こんなことなら、イギリスに行くんじゃなかった。



もう、私が欲しかった言葉は貰えない。



私は、ドアの前にしゃがみ込んで泣いた。



『もう坂下はいない…。』



私が絶望している中、背後に近づいてくる足音…。



今の私に、その音は耳に入らない。



足音は、私の真後ろで鳴り止んだ。



そして、私に声をかけた。



「やはり、来ていたのですね…。

明けましておめでとう、アンジェリーナ。」










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