Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
渋々
修学旅行の後、班別行動で一緒だったメンバー全員で教頭のもとへ向かう。



私たちが今回の旅行で奈良に行くことができたのは、教頭が口添えしてくれたからと聞いている。



あの、頭カタイ教頭が…ねぇ?



そう思いつつ、お礼を言って、お土産を渡す。



「ありがたく頂戴いたします。」



そう言って、教頭はお土産を受け取った。



帰り際、教頭が私に声をかけた。



「山田アンジェリーナ、道中で痴漢に遭ったそうだな?

スカート丈を、あと10cm伸ばすよう命ずる。」



えーっ、私と同じ位スカート短い奴なんて大勢いるじゃん…。



何で私だけ!?




■■■■




「何で私だけ、スカート丈を注意されなきゃなんないのよ。」



教頭のとこから戻った私は、階段で会った坂下を見下ろしながら、不満をぶつけた。



「スカートについては、私も教頭先生と同意見です。」



坂下まで、そう言うか?



私が膨れていたら



「特に今のような状況では、目の遣り場に困ります。」



私を見上げていた坂下は、私から目を逸らすと、そう呟いた。



坂下に言われたんじゃ、仕方ないな…。



私は渋々、スカート丈を10cm伸ばした。



なのに、坂下は



「10cmではなく、15cmと言うべきでした。」



などと言って、ため息をついた。










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