Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
誘惑
3年への進級は、クラスのメンバーだけでなく担当教員さえも持ち上がりなので、変わり映えがしなかった。



坂下は、転勤になると思っていたんだけどなぁ。



ここ最近は、坂下とできるだけ関わらないように過ごしている。



私はもうこれ以上、絶望したくないの…。



G.W.前の放課後、とうとう蒼にその身体を捧げる決心をした梨香に対し、男への迫り方なんていうのをレクチャーしていた。



実際に自分がこんなことやれって言われても、できるとは思えないんだけどね。



屋上前の扉のとこで、横になって制服のスカーフを外す。



右手からスカーフが滑り落ち、階段下に舞う。



この右手の先に坂下がいるつもりで、私は言葉を発した。



「ねぇ…来て?」



ばさっ!!



階段下から、いきなり物音がした。



視線を向けると、坂下がいた。



うわ…、本物だ!!



思いがけない坂下の登場に驚いた私は、慌てて身体を起こした。



坂下は一瞬、はっとしたかと思うと、落とした冊子を拾い上げた。



梨香はここで喋った内容が気まずかったのか、私と坂下を2人きりにするつもりだったかは定かじゃないけど



「校門で待ってるから。」



そう言うと、走り去ってしまった。







 
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