Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
魔手
蒼の誕生日があった休み明け、登校途中で梨香を見かけた。



おや?ちょっと歩き方がヘンだぞ…。



「おはよ、首尾はどうよ?」



「ごきげんよう、アンジェ。」



梨香はそう言って、Vサインした。



その指には、絆創膏が巻かれていた。



「指、どうしたの?」



「痛みに耐えようとして噛んだら、血が出たの。」



よほど痛かったようだ。



それでも梨香は好きな人が相手なのだから、羨ましい。



それにひきかえ、私は好きでもない相手に…。



2年も前のことなのに、アイツに犯された時のことを思い出した。



考えるのは、よそう…。



そう思っても、一旦思い出した記憶は頭から消えてくれない。



「アンジェ、顔青いけれど大丈夫?

最近、遅刻や早退が多いし…具合悪いんじゃない?」



遅刻や早退は、坂下と顔を合わせたくないから…なんだけどね。



「ううん、平気。

それよりも急がないと遅刻しちゃう。」



私はそう言うと、校門まで早歩きで向かった。












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