友人

彼は、時計を見ると頷いた。


キャンプだなと小さな声で呟いた。


席を立つと彼は、僕に背を向けて片手を上げた。


「キャンプだな。今度は川ごときにビビらんぞ。じゃあな。」



彼は、バーテンに財布から無造作に万札を数枚出すと置いてドアを出る前にもう一度キャンプだなと言った。


僕は頷いた。


我々は若かったのだ。


今でも若いとは言わないが。


彼は、組の為に罪をおかして服役する今回は出てこれないだろうと言われていた。


僕はバーテンにウォッカをそのままくれと言うとキャンプだよと呟いた。



彼の為に泣く事は、許されない気がした。


僕は、キャンプだよともう一度呟いた。











おわり
< 4 / 4 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:10

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

憎い夏
高山/著

総文字数/629

その他1ページ

表紙を見る
父の死とドーナッツ
高山/著

総文字数/2,955

その他5ページ

表紙を見る
ブログについて
高山/著

総文字数/7,711

実用・エッセイ(その他)21ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop