だから私は雨の日が好き。【冬の章】※加筆修正版

黎明...レイメイ






白い光と黄色味がかったオレンジ。

遠くの雲は、少し薄いピンクのようにも橙色にも見える色。


湊に抱かれた腕の中から窓の外を見ていた。

まだ少しちらつく雪は、夜中からずっと降ったり止んだりを繰り返している。



太陽が顔を出し始めたのにまだ雪が降るなんて。

でもその景色はとても綺麗で、いつまでも見つめていたいと想っていた。




二〇〇三年一月一日。

私は、二十歳になった。




湊と出逢って十五年。

いや。

十六年目を迎えた。


湊は四月で二十七歳になる。

もう誰も、『ロリコン』なんて言わなくなる。



中学の時。

私は十二歳で、湊は十九歳だった。

今考えれば犯罪のような年齢差だったのに。



年齢を重ねると、七歳の年齢差なんてたいしたことではないように感じていた。

そのことが私をとても嬉しくさせた。




同じ『二十代』。

湊につり合う『女性』になれるだろうか。

隣に並べる存在になっていけるだろうか。



すやすやと後ろから聴こえてくる寝息がいとしい。

私に絡まる腕に、ぎゅっと力を込めた。




< 56 / 358 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop