【完】時を超えて、君に会いに行く。
数学の授業が終わったあと。
「彼方のおかげで助かったよぉー!」
沙奈は彼方のもとへと飛び跳ねて行き、数学のテストができて、喜んでいるようだった。
そして私と航も、そこへと向かう。
「俺も彼方のおかげで、わりと解けた」
航も嬉しそうに、そんなことを言う。
「…………」
私だけが、この状況を認められずにいた。
でも、認めざるを得ない状況にいるのも事実だ。
「未歩どしたの?
浮かない顔してるけど……数学、あんまりできなかった?」
うつむいてる私に、心配そうな沙奈の声が耳に届いてハッとした。
「あ、全然大丈夫だよ!」
むしろ数学は満点かもしれないくらい。
私はもっと別のところで、悩んでる。