死神のキス
STORY1


真夜中に突然目が覚める。
それはもう、スッキリとするくらいに。
でもそれはいつものことで、格段驚いたりはしなくなっていた。



…ただ、今日はなんだか変な感じがする。
何かこう誰かにジッと見つめられている様な、気味の悪い感じ。

気のせいであってほしいソレにふるりと身体を震わせながらベッドから上体を起こした。

(嗚呼、今日は満月か。)

窓から見える小さな夜空にスッと目を細める。

そこからまん丸な月が室内を優しく照らしている。
無機質な白を基調とした部屋は所詮病室でしかなくて、趣などあったものではないのだけれど。
そう思って少し虚しくなった僕はフッと自傷的な笑みを浮かべ、もう一度ベッドに戻ろうと視線を元の位置に戻した瞬間言いようのない気持ちの悪さに背筋が凍りついた。



「こんばんは、紺野 優李サン」


闇よりも真っ黒なマント

月明りに煌めく白銀の髪

白雪のような肌

弧をえがく真っ赤な唇

そして


大きな銀色の鎌


……死神。


僕は頭の中でその答えに辿り着いた。
< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

氷の姫とヒマワリの王子様
藍猫☆/著

総文字数/1,504

恋愛(学園)2ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
桜ヶ丘学園の学園一の美女、神山藍は持ち前の美貌とその誰も寄せ付けない様なオーラでついたあだ名は『氷の女王』 しかし、実は人見知りが激しいだけの普通の女の子。そんな彼女に密かに好意を寄せる男の子が、学園一地味な男の子の紺野優。実は彼も本当の自分を隠していて、、、

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop