悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~


久しぶりに聞く親友の声は、とても心を落ち着かせてくれる。


『うん。まだ何も解決してないけど、ずっと向こうにいるってわけにはいかないからね』


あたしが言うと、梓は電話の向こうでため息をついた。


『サラの状況がわからなかったからさ、電話したくても出来なかったんだよ。まだ……解決してないんだね……』


梓の声が沈む。


『ヘンリーの件も?』


『うん……。ヘンリーもまだ見つかってない』


『見つからないってのも変だよね?こんなにうまく隠れられるものなのかな……』


みんな思うことは同じみたいだ。


もう、魔界はくまなく探したんだ。


ルカは、ヘンリーの匂いが全くしないって言ってたし……。


『庵可くんとは連絡取ってる?』


梓に聞く。


『ううん。全然。だって、なんか変に連絡取り合うのも……ねぇ』


梓が苦笑しながら言った。


『庵可くんも普通に生活出来てるよね?』




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