悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~


「何をする。離せ」


ルカはあたしに手を引っ張られながらも、タスクくんを睨みつけていた。


「ちょ、ルカ落ち着いて!!今はキレないで!!その黒い物体どうにかしてよ!!みんなに正体バレるでしょ!?」


あたしは声を潜めながら言い、重たいルカの体を引っ張った。


「なんで逃げるんすか~?」


あたし達が教室を出ると、タスクくんも追うように教室を出てきたけどあたしはそれには答えずに、人気の少ない屋上前の階段へと駆けのぼった。


全力で階段を駆け上ったのと、長身のルカを必死に引っ張ったので息が切れて肩で息をする。


ルカから手を離して膝に手をつき、ゴクリとつばを飲み込む。


「ちょ……ルカ。場所を考えてよ。ここは人間界だよ?みんなルカの正体知らないんだから……気をつけないと」


息が苦しくて、言葉が途切れ途切れになる。


それなのに、あたしと一緒に階段を駆け上って来たルカは全く疲れてる様子はなく、息ひとつ乱していない。


「なぜ邪魔をした」


「何でって……。ルカに黒いオーラが漂ってるのに黙って見てられないでしょ?とにかく人目につかない所に移動しなきゃと思って」




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