悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~


「ちょっとルカ!何やってるの?早く校舎に」


あたしはルカの腕を無理矢理引っ張る。


何を睨みあってるの?


ってか、早く天気を戻してよ!!


ああもう!!


みんなに何て説明をすればいいの!?


ルカは激しさを増す雨からあたしを守るように、自分の体にあたしを引きよせ、校舎に向かって走った。


今更守られても、もう遅い。


全身びしょ濡れだ。


校舎に近づいてから庵可くんのことが気になってグラウンドの方を見たけど、もうそこには庵可くんの姿はなかった。


教室に戻ったんだ……。


校舎の屋根の下で、突然雨に打たれたみんながそれぞれ雫をはらいながら空を見上げる。


「雨が降る気配なんてなかったのに、どうして突然」


みんな不思議そうだ。


でも、雨の衝撃が大きいおかげで、ルカの瞬間移動のことは忘れられているようだ。


ホッと胸を撫でおろし、だけど、キッとルカを睨み上げみんなに聞こえないように小声でルカに言った。


「なんて事するの?みんなの前で瞬間移動!?信じらんない!!」


「…………」




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