齧り付いて、内出血

「頼、冷静に考えてみ。」

『わ、かってる。わかってるよ。全部私が間違ってる。』

「ほら、落ち着け。」

『もう、やだ。もうやだあ。』


ああ、かっこわるい。

ついに私は泣き出してしまった。

久世はどんなに面倒だと思ってることだろう。

つまらない女だって思ってることだろう。


「これ、お前が望んだ関係だろ。」

『今日は、帰る。なんかちょっとおかしいから。』


‘もうやめよう’を聞きたくなくて、さっきまであんなに浮かれて歩いていた道をひとりで戻る。

…追ってもこない。

やっぱり呆れた?

いや、それどころかきっと嫌われた。


あまりにも虚しくてもう涙もでてこない。

乾いた悲しみがただただ胸を襲ってくる。

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