パパは幼なじみ
意を決して家の玄関のドアを開けた。

「ただいま…」
「何してたの、真奈?」

案の定、仁王立ちした母がいた。

「今何時だと思ってるの!?昨日も言ったのに連絡の1つもしないで!それに電話もメールも全部無視して!!2人でも女の子じゃ危ないし、どれだけ心配したと…もう、あなたって子はっ!!」

これだけのセリフを噛まずに言えるなんて。
反省よりも感心してしまった。

「聞いてるの!?」
「ご、ごめんなさい。」

とりあえず謝った。
あれ、おかしい…昨日は謝る間もなく拓人が出てきたのに。朝、私があんな態度だったから?


「ママ、あの…パパは?」
「そういえば、その辺りですれ違ったりしなかった?」
「え?」
「真奈の帰りが遅いからって心配して探しに行ったのよ。学校方向に行くって。」


拓人とは帰りの途中でなんて会っていない。でも家から学校までは一度分かれ道があるだけでほぼまっすぐだ。
会わないわけがないのに。それに……

「徹くんといるところ、見られたかも…」
「なんか言った?」
「あ、ううん。パパとは会ってないよ?」
「そう…電話してみようかしら」

ママは携帯を探し、リビングに戻っていった。
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