パパは幼なじみ
「あり…がと…」


ブーブー ピロリン ブーブー ピロリン


「ん……携帯…」

メールの着信音に目を覚ました。
目をこすると、手には涙がついた。

「あれ?私、泣いて…」

なんで泣いてるんだろう。今見てた夢のせいかな?あれ、でも今日は夢を思い出せない。ついさっきまで夢の中だったはずなのに。
あ、それよりもメールメール…

“おっはよー(^^)朝練前でーす!
 昨日の電話のことだけど、確かね、私は今
 家ですって答えたよ?
 もしかしてまずい答えだったりする(><)?”


一気に目が覚めた。
まずい答えだったりしますよ、早紀!
だってだって、拓人が早紀に電話した時間は、私の中では私と早紀が一緒に歩いて帰っている途中の予定だから!


待って、少し冷静になって整理しよう。
拓人は知ってた。私が早紀といたわけじゃないことを。そして多分見ていただろう。私が男の子と、徹くんと一緒にいるところを。

それなのに拓人はどうして……どうして私の嘘にのったの?
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