不思議ちゃんとイケメンさん

あかのねこのぬいぐるみ




「あ、あの…」


黒髪で、顔立ちは端整…美しいです



「んー……」



う、動きました…!




「あの、すみません起きてください」




「…なに、」



ぱちっと片目を開けて眠たそうな声色で尋ねられたです



「あの、どうして私は抱きしめられているのですか」



「……あんた、暖かいし。人間カイロってこういうこと言うんだろ…?ふぁあ…」


暢気に欠伸を晒した彼。



勿論、腕の力は強くて。



「あ、いや…その、どちらさまですか」


「何?自己紹介…?面倒くさい……寝る」



「えっ、ちょ…起きてくださいです!」


「……」



寝てしまわれましたですよ


え、どうしろと




私、教室帰らないと



抜け出そうとしても腕の力が強くて無理だ



……この怪力、!




「おい彗…!いるか!?」



なんだか、誰かがはいってきたようです


しかし、ここには先生がおらず私とこの黒髪のかたがいるだけで。




カーテンをひらかれたのです



「ん?ちる…と彗か!?」




「り、凜さん…!」



そこには凜さんがいたのです




あの赤髪さんです





「どういう状況だこれ…おい彗…!起きろ!」




「うっるさ…凜、うるさい。出ていって」





「うるさいじゃねーよ!なんでちる抱きしめてんだ馬鹿!」



「は?ちる…?あぁ、こいつのコト…」



けだるそうに起き上がった彗、と呼ばれるかたが私をみたです



「あ、あの…」


「説明しやがれ、彗…!」



「面倒くさい」





「お前すぐ面倒くさいだな…」



「…はぁ、俺が保健室いったらこいつが寝てた。隣のベッドが冷たかったからそっちにはいった。暖かかったから抱きしめた。はい、これで満足?…俺は寝る」



説明した後、また私を抱きしめたまま眠ってしまったのです



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