桜の木の下で-約束編ー


この春、私のリクエスト通りの
システムキッチンへと改築してくれた祖父。


使い勝手がかなり良くなった
キッチンに立って手早く朝ご飯。


夜の間にセットにして
美味しく炊き上がったご飯。


ご飯をボールに移して、
青紫蘇をパパっと切って、
ちりめんじゃことあえて、
錦糸卵をチラした混ぜご飯。


同時にグリルで魚を焼いて、
コンロでは味噌汁を作る。


同時進行で、準備をして
15分くらいで朝食をしたく終えると
テーブルへと並べる。



いつものようにお祖父ちゃんと
食事を勧めて、食べ終わると
食器だけを食器洗い乾燥機へとセットして
学校へ行く準備をする。




「あっ、ヤバっ。

 お祖父ちゃん、行ってくるね」



玄関の鞄をひっつかんで、
駆けだしていく山道。


その山道を駆けあがると
祖父の神社がある。


神社の御神木である、
大きな桜の木の前で鞄を置いて、
いつものように幹に手を触れる。



*


『行ってきます。

 今日も1日、見守ってください』


*






朝の日課を終えると、
一気に逆側の斜面をくだっていく。



登下校の山道は、
かなり厳しいけど私の家は、
結構不便な場所に建ってる。



学校と最寄駅の中間の
山の頂上に建つ我が家。

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