林檎姫は恋をした。



『ハクさん………』


「………ありがと、白雪。

……………またね」


そう言って彼女に背を向けた。


そのまま歩き出す。城の方へ向かって。


また、ゴロゴロと林檎がなる。


『…………………ふぅ』


ため息なんかついても意味ないのに。


けど、ため息ばかりついている。


…………ザァ


風がまた、吹いた。



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