小さな死神
お昼前に学校の裏。
「どうだった?」
さえこは開口一番。
「それが・・・。」
「会わなかったのぉ!あれほど言ったのにぃ・・・」
さえこは右手を拳を変えた。
「待て!待て!会った!会ったよ。・・・けど大した事は分からなかった。」
「どんな事?」
つか、拳が白くなってるぅ(>_<)・・・こわいぃ~。
「洋子はやっぱ無言電話があったって章介に言ってたらしい。忙しいってのを理由に余り会話は無かったって。
それから、無言電話が今回の殺人事件に関係あるんじゃないかって言ったら、急に怒り出して、俺追い出されちゃって・・・。娘が逮捕されたっていうのに。なんかおかしくないか?」
「怒り出した?・・・なんでだろう?」
「章介がやった?」
「アリバイがあるんだよ。しかも強力な・・・。行きつけの飲み屋にいたんだってさ。」
「なんでそんな事知ってんだよ?テレビも新聞もそんなこと言ってなかったぞ。」
「えへん!あたしには独自の情報網があるんだ。秘密のね。」
さえこはそう言って顔をしかめた。と思ったらウインクしたらしかった。
「悪戯電話は誰が掛けてたんだろう?」
「それが分かれば苦労はないよ。」
「そりゃそうだ。警察は通話記録を手に入れてる筈だろうなぁ。」
「それ見れば分かるかな?・・・あたしに考えがあるんだ。」
さえこはまた顔をしかめた。
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