ちっぽけな奇跡のはなし

タイムマシンに乗って







「口、生クリームついてますよ」


男の人は突然そう言った。



「ええ!あ、すみません」

口を急いで拭うと、男の人がくすくすと
笑った。


「前の席、いいですか?」


巴菜の向かいの席を指さした。

いつもはすみれが座っている席だ。


「ど、どうぞ」



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