~D*A doll~
はっきり言って、こいつは何だか気持ち悪い。
そもそもこいつ誰。
見た目も爽やかで笑顔も明るくて、カッコいいし、紫に染められた髪は嫌でも目立つけど…。
どこか、違和感を覚える。
こいつが纏っている空気で…息がつまる。
どす黒いようなオーラを持っている男。
とにかくあんまり関わりたくない。
直感があたしに訴えている。
“ここから、こいつから早く逃げろ”って。
……何だか、本当に嫌な予感がしてきた。
こいつ……ヤバイ。
一歩、一歩、足を後ろに下げる。
それに合わせ、男も一歩一歩近寄ってくる。
ヤダ…。
来ないでよっ!
「やっぱ?俺の事分かんないか…。」
「う、うん。あたし、用があるから…。とにかく帰る!!」