隣人




目を覚ました時にはカーテン越しに外の光が差し込んでいた。目の前には奏多の綺麗な寝顔。


頬にそっと触れてみる。私より遥かにきめ細やかで美しい肌。こんなに可愛いアイドルが私を好きだなんて嘘みたい。


目を薄く開けた奏多は私をぎゅっと抱き締めると唇を塞いできた。手がもぞもぞ動き始めるのでさすがに昨日の今日では体力が持たない。



「ん、ダメ」

「足りない」



それでも容赦なく動き回る手に翻弄されそうになった時、奏多のスマホが鳴った。邪魔すんなよとぶつぶつ文句を言いながら電話に出る。



「…はい。あぁ分かった」

「どうしたの?」

「マネージャーが迎えに来た」

「え…」



マネージャーといえば例の人だろう。彼に向かってあんな啖呵を切ったのに、また奏多に会い
関係を持ってしまった。


それこそ何を言われるかわかったもんじゃない。どうしよう…。



「美月は気にすることねぇよ。話はついてる」

「え…そうなんだ」

「あー、あと今日隣の部屋に引っ越し業者来るから荷物受け取ってて」



そう言われてキーを渡された。
隣?引っ越し業者?
理解出来ない私の様子を察して言葉をつけ足した奏多。



「隣に俺が住むの。もともと俺達は隣人の関係だったろ。そこから始めるのが俺達にはいいかなと思ってさ」

「ふふ、そっか」



あそこから私達は始まったのよね。まさかこんな風になるとは予想もしていなかったけど。


そしていま私達は、隣人兼恋人としての関係を新たに始めようとしている。ここからどんな愛の形を育んでいけるかしら。とても楽しみだわ。






End







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