可愛いキミの美味しい召し上がり方



気を取り直して…

手元のシュシュをいじくりながら、私はさりげなく尋ねた。



「うん。いくつか作って、次のバザーに出せたらなって。」


さっそく2つ目を作る準備に入る玲央くん。

別の色の毛糸を手にしている。


「へぇ…。」

「あ。それはマコちゃんにあげるよ。」

「へっ?」

「試作品で申し訳ないけど。」


言いながら、私からシュシュを取って。玲央くんが私の髪に手を伸ばした。


「えっ?いいよっ。そういうの私には似合わないから…」


慌てて振り払おうとしたものの…


「そんなことないよ。マコちゃん、髪長いし。ピンクも似合うし…」


ひょいと私の髪を束ねて、器用に結わえて行く玲央くん。


「いやいや。そういう女の子っぽいのは苦手だし…第一、私のガラじゃないし…」


そもそも、今の格好、上下ジャージにすっぴんだよ?

髪だって、ただとかしてきただけだし…

似合わないにも程がある…って、あれ?


「ほら、できた。可愛い。」


いつの間に…?


気づけば鏡を持たされていて。

そこには編み込み+シュシュでばっちりヘアアレンジ済みの私が映っていた。



恐るべし。

玲央くんマジック。



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