イケメン王子の花メイド




   *   *   *



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あれから棗様と小塚森様は以前のような絡みではなく、少し小塚森様が突っかかってくるようになったようです。


でも決して仲が悪いというわけではなくて、逆に以前より仲が良くなったように見えるそう。



なんにしても、良かったです。




「おい沢田、掃除もそのくらいにしとけ」




と、不意に有馬さんから声を掛けられる。

私はハッとして顔を上げた。




「すみません!」


「もうすぐ棗様がご帰宅される。そろそろお迎えの準備をした方がいいんじゃないのか」


「あっ、そうですね!ありがとうございます!」




私はパタパタと急いで掃除の後片付けを済ます。


有馬さんは引き続き掃除をし出した。



……あ。


ピタリと私の手が止まる。



そういえば有馬さん、

茜さんとはあれから話したのかな…?





「あ、有馬さん…あの…」


「なんだ」


「…………えっと、茜さんとはお話しされましたか?」


「……」




無表情な有馬さんの顔が少し曇ったのに気付いた。


掃除の手を止めて、しばらく黙り込む。



……やっぱり、話してないのかな。




「……宮本はもう、いいんだ」


「えっ…」


「俺は宮本に期待をしないことにした」





そう言って掃除を再び始めた有馬さん。


私は呆然と立ち尽くす。



…つまりそれは、


宮本さんを諦めたってこと…?




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