イケメン王子の花メイド





掃除を片付けて、私はパタパタと小走りで廊下を進む。



有馬くんはこの時間、確かエントランスにいるはず…!



本当は今日の業務を全部終わらせてからじゃないと有馬くんに怒られちゃいそうだけど、


なんだか……早く行かなきゃ駄目な気がする。


有馬くんには怒られ慣れてるもの!




エントランスに続く扉が開いているのが見えて、扉の前で立ち止まる。


ふと、エントランスから誰かの声が聞こえてきた。


チラリとエントランスを覗くと、階段のそばで有馬くんと花ちゃんが話しているのが目に入った。



あ、そういえば花ちゃんもこの時間エントランスの方だっけ。




「――有馬さんはそれでもいいんですか…?」




エントランスに入り、二人に声を掛けようとしたところで花ちゃんの言葉が耳に入る。



……なんの話かしら。

有馬くんの話……?




< 209 / 314 >

この作品をシェア

pagetop