イケメン王子の花メイド
「よ、良かったです〜…っ」
すると、花ちゃんは鼻をすすりながら私と有馬くんを潤んだ目で見る。
私と有馬くんの事情を知っていた花ちゃんは、きっと色々辛かったわよねぇ…。
本当にいい子ねぇ……花ちゃん。
「うぅ〜…花ちゃんありがとう〜っ」
「…茜さん〜…っ」
私はぎゅーっと小さな花ちゃんを抱き締める。
…ありがとう花ちゃん。
大好き。
「俺と宮本のことを気にかけてくれて、ありがとうな」
「そ、そんな!私はなんにも出来てないです…」
「いや、俺も宮本もお前には感謝しきれない」
有馬くんはそう言って花ちゃんの頭をポンポンと撫でた。
花ちゃんはまた泣きそうに目を潤ませる。
「……さて、ちょっとサボりすぎたな」
「あ、ほんとだわぁ!早く仕事に戻らなきゃっ」
「な、棗様のレッスンが終わる時間!」
そして私達は早急に自分達の持ち場へ散っていった。
私もこの仕事が大好き。
もっともっと皆の役に立ちたい。
有馬くんや花ちゃんと一緒に、頑張っていきたいわぁ。