イケメン王子の花メイド







「「「響子様、おかえりなさいませ」」」




お屋敷の玄関先にズラッと並ぶメイドや執事の方々。


皆さんと同じように私も車から降りて来られる響子様にお辞儀をする。



…何度やっても、このお出迎えはすごい迫力だ。


ちなみに、棗様はこんな風に盛大にお出迎えされるのが苦手らしい。




「ただいま。

皆さん、お久しぶりね」




リムジンから降りて来られた、社長夫人であるという響子様。


美しい白いスーツにサングラスを掛けた響子様は、スタイル抜群で少し背が高かった。



髪は艶がかった黒髪のボブスタイル。

それとは対照的な白い肌。



迫力のあるオーラを放っているのが印象的である。




「ご帰国されてらしたんですね」



カツカツとヒール音を鳴らしながら歩いていく響子様に、前川さんは声を掛けてそのまま付いていく。


響子様はそんな前川さんを一瞥すると、長い前髪をかきあげた。




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