イケメン王子の花メイド



「花らしいな」


「……え?」


「まあ、花がいいなら俺もそれで良いと思う」




ぽんぽんと私の頭を優しく撫でてくれた棗様。


その笑顔があまりにもかっこよくて、私は目が離せなくなった。



こんな一般人の私に対して、身分を感じさせないように接してくれる滝沢家。

棗様はいつだって私を否定しない。


……本当に大好きです、棗様。




「ありがとうございます……っ」


「あ、また泣く」


「まあ~、棗がそんな優しい表情するようになってたなんて。丸くなったわね」


「あ?俺をなんだと思ってる」


「まあまあ2人とも。
……花ちゃん、これからもよろしくね。それと、このマカロンすごく美味しいよ」




私の作ったマカロンを一つつまんで社長は優しく笑い掛けて下さった。

私は感動して、涙を拭いながら「ありがとうございます!」と頭を下げた。



温かい家族。

私の新しい家族。


まだメイドとして働けるし、ほんとに何もかも恵まれてるな、私。


しっかり恩返しをしていこう。


棗様を幸せにする為に。

私に出来ることを精一杯していこう。



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