イケメン王子の花メイド

お菓子が基本です








——頑張るとは言ったものの、私なぞに何が出来るのか。


ていうかどのへんからどのように頑張ればいいのか、全く検討がつかない。




「何をするか」


「本でも借りようかな」




お二人はそんな会話をしながら、お二人のペースで書斎へと歩き出す。

私はそれにはついていかなかった。



ふと、棗様が私に気付いて振り返る。




「…どうした?」




私に出来ること。

……あれくらいしかない…。




「あ、えと…先に行ってて下さい。何かお茶菓子をお持ちします」


「そうか」


「ありがとうね」




納得したようで、棗様は再び馨様と並んで歩き出す。



お菓子なら、作れる。

小さい頃からお母さんと作ってたし、これならなんとか…。



私はくるりと踵を返してパタパタと調理場へと急ぐ。


成功すればいいな。

棗様に気に入って頂けたら、いいな。




< 52 / 314 >

この作品をシェア

pagetop